民法の判例から

ケース(14):医師の注意義務(輸血梅毒事件)
【事実関係】

 原告Xは、被告Yが経営する病院で、医師Aの治療を受けていた。その治療で、Xは輸血を4回受けたが、最後に輸血された血液の提供者Bが梅毒 (Syphilis; ซิฟิลิส)に感染していたため、Xもこの病気に感染してしまった。Bは売血で生活していたが、この病院に売血に来たとき、Bは血液検査の証明書を医師Aに提示していた。それによると、Bの血液には問題がなかった。そこで、Aは詳しく検査せずに、Bから採血して、それをXに輸血してしまったのである。梅毒に感染したXは、様々な後遺症に悩ませれ、とうとう家庭生活も破綻して離婚に至った。

 このためXは、「Aが十分にBを検査していれば、梅毒に感染している事実を発見することができたはずであり、それをしなかったことは、医師としての注意義務に違反している」と主張して、医師Aの使用者であるYに対して、治療費、入院費、および慰謝料の支払いを請求して、訴訟を起こした。

 これに対してYは、「Bは、健康である旨の血液検査の証明書を提示していた。そうした場合には通常、医師は細かい検査を省略して採血している。それが医療の慣行である。したがって、そうした場合には、それ以上に詳しく検査する注意義務はない。Aもその慣行に従って行動したのだから、注意義務違反の責任はない」と反論した。しかし第一審裁判所は、Xの主張を認めて「Aが相当の注意を払って検査していれば、Bが梅毒に感染している事実を発見できたはずである」と判断して、使用者Yに損害賠償の支払いを命じた。Yは控訴したが、控訴審裁判所も、第一審裁判所の判決を支持した。このため、Yは上告した。


【判旨】

 最高裁判所はまず、医師の注意義務の基準について、次のような理由で、Yの主張を退けた。血液の提供者が健康である旨の証明書を提示した場合に、医師は詳しい検査を省略する慣行があることは、確かに事実である。しかし、そうした事実上の慣行によって、医師の注意義務の内容が決まるわけではない。注意義務の内容は、事実の認識だけではなく、裁判所の法的判断によって決定されるべきである。

 そして最高裁判所は、医師の注意義務の内容について、次のような判断を示した。医師は、患者の生命および健康を守る重要な業務に従事しているのであるから、危険防止のために、常に可能な限り最善の注意を払う義務を負っている。したがって、医師の慣行に従ってBの健康状態を十分に検査しなかったことは、医師の高度の注意義務に違反していると言わざるを得ない。こう判断して、最高裁判所はYの上告を棄却した。


【関連条文】

(財産以外の損害の賠償)⇄ มาตรา ๔๔๖

民法第710条; 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

มาตรา ๔๔๖

ในกรณีทำให้เขาเสียหายแก่ร่างกายหรืออนามัยก็ดี ในกรณีทำให้เขาเสียเสรีภาพก็ดี ผู้ต้องเสียหายจะเรียกร้องเอาค่าสินไหมทดแทนเพื่อความที่เสียหายอย่างอื่นอันมิใช่ตัวเงินด้วยอีกก็ได้ สิทธิเรียกร้องอันนี้ไม่โอนกันได้ และไม่ตกสืบไปถึงทายาท เว้นแต่สิทธินั้นจะได้รับสภาพกันไว้โดยสัญญาหรือได้เริ่มฟ้องคดีตามสิทธินั้นแล้ว

อนึ่งหญิงที่ต้องเสียหายเพราะผู้ใดทำผิดอาญาเป็นทุรศีลธรรมแก่ตน ก็ย่อมมีสิทธิเรียกร้องทำนองเดียวกันนี้

(使用者等の責任)⇄ มาตรา ๔๒๕, ๔๒๖

民法第715条; ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

(2) 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

(3) 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

มาตรา ๔๒๕

นายจ้างต้องร่วมกันรับผิดกับลูกจ้างในผลแห่งละเมิด ซึ่งลูกจ้างได้กระทำไปในทางการที่จ้างนั้น

มาตรา ๔๒๖

นายจ้างซึ่งได้ใช้ค่าสินไหมทดแทนให้แก่บุคคลภายนอกเพื่อละเมิดอันลูกจ้างได้ทำนั้น ชอบที่จะได้ชดใช้จากลูกจ้างนั้น

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